関節リウマチ患者に起きやすい水虫やイボなどの足トラブルのセルフケアについてご紹介します。
関節リウマチ患者はタコやイボができやすい
タコやイボができやすい理由
歩行バランスが崩れて足の裏の特定の場所に体重がかかり続けると、そこにタコができたり、水膨れができて破れてイボができやすくなります。特に関節リウマチは関節の痛みや変形で歩行バランスが悪いですし、足のアーチが崩れやすく外反母趾や内反小趾になりやすいため、これらの痛みによりさらに歩行バランスが崩れます。
関節リウマチ患者はイボや白癬(水虫)に弱い
関節リウマチの治療薬は自己免疫力を低下させる薬ですからウイルスや細菌感染に弱くなります。感染するのは風邪のウィルスだけではありません、イボはウイルス感染ですし水虫は白癬菌感染ですから、今までよりは感染しやすくなるでしょう。実際私は効果が強力な免疫抑制剤を使い始めてから、ちょっとした足トラブルでもイボが悪化したり白癬にかかるようになりました。看護師で高齢者施設でのケアを長年してきましたから、これらの感染症には特に気を付けてきたし、かかったことはなかったのに今更になってです。ですから、やはり自己免疫力の低下は怖いと実感しています。皮膚科の先生は「普通の人でも足に傷ができない生活なんて無理よね。でもウイルスにかかりやすいやろうとは思うね…」と言って治療してくれています。
この足の裏のイボはだいぶよくなった時の写真です。最初は0.5mmくらいの皮膚の剥がれでした。夏にサンダルで杖歩行をしていたので体重の分散が難しくて皮がむけてしまったのです。そこにイボのウイルスが入り込みどんどん固く大きくなって10倍の1.2cmになりました。治るまでに1年以上かかりました。
こういうイボができると痛くてよけい歩行バランスが崩れます。足トラブルができると負のループに入ってしまい、ただでさえ大変な思いをして歩いている関節リウマチ患者にとっては非常につらい結果となります。
関節リウマチ患者の足トラブルのセルフケア
足にタコを作らない工夫をする
- 歩行バランスが崩れないように、アーチが保たれる靴選びをしましょう
- 調子の悪い時は足全体をホールドできるスニーカーなどの形の靴が歩行バランスをサポートしてくれます
- 自分にあうインソールを使って足裏や足の甲にかかる力を分散しましょう
- 外反母趾や内反小趾の方は整形外科でオーダーメイドインソールを作れます。高いですが補助金が出ます。
足に傷を作らない工夫をする
- 足にあった靴をはき、靴ズレを防ぎましょう
- 外反母趾で夏の花緒型サンダルを履く場合は指のまたズレに注意が必要です
- 夏のおしゃれサンダル(特に外国製)は底が薄いので、足の裏にタコや水膨れができやすいので注意しましょう
- パンプスなどで足が擦れるところはシールで保護するなど工夫しましょう
私は底の薄いサンダルを履き続けて足の皮膚が0.5mmの水疱になりそれが剥がれたことがきっかけでイボが悪化しました。きっと他にも擦り傷ができたのでそれも白癬の原因になったと疑っています。この外国製のサンダルがお気に入りすぎて毎日アスファルトを歩きすぎたんだね。
外国は日本と道路の事情も違うし、人種が違うと足の皮膚も強さも違うんだろうなと勉強になった次第です。はいてもいいけど、場所や時間、頻度を工夫したらよかったなと思いました。
次は保護材の紹介です。写真は私がパンプスを履くときに親指にひっかけているジェル状タイプのプロテクターです。この上からストッキングをはいて靴をはくと外反母趾の骨部分を革靴の摩擦から守ってくれます。
昔なぜかワークマンで売っていて洗えるし重宝しているのですが、今は販売しているのかしら?
シールタイプもかなりお勧めです。私は自分の足にシールを張りますが、一日で剥がします。蒸れると皮膚がはがれやすくなりトラブルの原因を作るからです。靴そのものに貼るタイプもあるので検討してください。ドラッグストアで売ってますが、バンドエイドは保護力抜群ですが高価です。Drシーラボも類似品があります。また右のロール状のシールは保護したい部分の範囲に合わせてカットできるし安価です。透明なので目立ちません。
足を蒸らさない工夫をする
白癬(水虫)は、傷のある所から侵入します。この菌は日常生活のどこにでも存在していますのでそんなに怖がる必要はありません。ですが、大浴場や自宅の浴室、プールの更衣室など、じめじめと水分が残り続けるところで生存していますので、「足についた水分をその場でしっかり拭き取って蒸らさないようにしてください」。最近若い女性が通気性の悪い合成皮革のブーツを長時間履くことで水虫が増えているのはこれが原因です。白癬菌はじめじめが大好きなので、若い女性は代謝が良く足に汗をたくさんかきますし、合成皮革の靴は汗が水蒸気となって逃げにくく湿気がたまりやすいので、白癬菌の快適な環境になってしまうのです。
蒸れた状態の皮膚はどうしてもはがれやすく、そこが「傷」になって菌が侵入します。長時間足を蒸らさないようにこころがけましょう。
白癬の症状
- 皮膚がかゆい
- 皮膚がはがれる
- 皮膚がじくじくして治らないなど
- 爪の色が白すぎる、黒っぽいなど
- 爪がすごく分厚くなった
足の白癬は皮膚だけでなく爪にもおきますし、上記の症状通りでないこともよくあるので、詳しい症状や治療について皮膚科学会のリンクをはっておきます
日本皮膚科学会 白癬 /https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/index.html
白癬菌の治療で大切なこと
白癬は塗薬・飲み薬があります。ただ関節リウマチでたくさんのお薬をすでに飲んでいる場合、新しい薬を使いにくいかもしれませんので薬手帳を見せて皮膚科医に相談してください。私からは一つだけ大切なことを紹介します。ほとんどが塗薬から治療が始まるので、塗薬を足全体に塗ることです。「白癬で悪くなっているところ」だけではなく「足裏全体」に塗ってください。菌なので、全体に広がらないように、そして皮膚表面についている菌全体に効くようにするためです。
もし写真の赤部分が白癬だとしても、薬は黄色部分全体に塗ってください。これが早く治すコツです。毎日お風呂上がりの皮膚が柔らかい時に塗っていたらちゃんと治るので、悩んでいる人は根気よくやってみてね。
みなさんの足トラブルができるだけ予防でき、自分らしく快適な暮らしができるように願っています!