関節リウマチ患者&看護師として、関節リウマチの初期症状の体験談を紹介します。
リウマチの初期症状は人それぞれ
関節リウマチの有名な初期症状は、朝のこわばり・関節の腫れ・痛みですが、かなり個人差があると思います。だからこそ、何かおかしいと感じた時が受診するときです。
リウマチの有名な初期症状
教科書やWebでよく出てくる関節リウマチの初期症状は以下の通りです。
- 1時間以上持続する”朝のこわばり”
- 左右対称の関節の腫れ・痛み
- 倦怠感・疲労感
正式な病名は痛みのある関節の数や採血結果により確定診断されます。有名な初期症状はその病気の特徴的なものをおさえていることに間違いありません。例えば関節リウマチの初期症状は、呂律が回らない・手足が脱力する・麻痺がでるなどではありません。これは脳梗塞や脳出血の初期症状です。このように、病気によって特徴的な初期症状があることは確かで一定の指標になります。
しかしこれら有名な初期症状が全ての人に完璧に当てはまるわけではないと知っておいてください。なぜなら私たちは生身の人間ですからロボットのように正確に初期症状を出すわけもなく、感じ方や症状の出方にも個人差があってあたり前だからす。実際、私の場合も初期症状は教科書通りピッタリではありませんでした。
また「初期」とはいつのことなのか誰にも正確に定義できません。骨折は折れたときが発症時期です。でも関節リウマチなどの慢性疾患はいつの時点が発症時期なのかが非常にあいまいでわかりにくいという特徴があります。ですから、何かおかしいと感じた時に受診することは賢明なことなのです。

リウマチの初期症状の個人差
私の場合、手の親指の付け根がだるかったのが始まりでした。関節ではなく手の平のふっくらしたところが痛だるいので、仕事中は常にボールペンでツボ押ししていたのを覚えています。親指を曲げにくくて、リュックの肩紐に親指をひっかけるのもできませんでした。当然マグカップに親指をひっかけることもできず、ステンレスのフォークやスプーンもだんだん持てなくなり、指が痛くて生活が不便になっていきました。そのうち腕全体の皮膚が痛くなり、さするのも痛くなりました。痛い場所は時間ごとに変わりましたが、腫れることも赤くなることもなく、温めると少し楽になりました。この時採血したら、もっと早めに関節リウマチだとわかったのかもしれませんが、「関節は痛くないし~(病気じゃないだろう)」と思って受診しませんでした。
2~3か月、良くなったり悪くなったりを繰り返していたので「冷えているのかな?」と思っていましたが、ある日、急激に親指が腫れだしてペンが全く持てなくなり、整形外科に行ったのが診断の始まりです。奇しくも、その日は大学院受験日の前日でした。右手首に力が入らないので家の玄関のドアに鍵をさすこともできず、鍵をさせても回すことができないので、体をひねりながら四苦八苦したことを覚えています。左手は何していたんだろう…謎。そして翌日、私は右手で鉛筆を握れない状態で試験を受けることになったのです。トホホ…。
それでも、症状は左右対称ではありませんでしたし、1時間以上続く朝のこわばりもありませんでした。
リウマチは早期受診が大切
関節リウマチは早く治療することが大切です。なぜなら骨破壊が始まって関節が変形すると、変形自体は薬で治せないからです。今は高額ながらも効果のある薬がたくさんあり、治療方法も確立されてきたので、昔のように関節が大きく変形するケースが少なくなってきました。しかし早めの治療開始が肝であることに違いありません。なんかおかしいな、いくつか当てはまるかな?と思ったら、「除外診断」のためにも受診しましょう。「関節リウマチではありませんね」という結果であれば損はありません。ネットに出ている初期症状に当てはまらなくても受診してくださいね!
