関節痛と砂糖の関係

 関節リウマチの痛みと上白糖(精製された白い砂糖)の関係はよく知られていますが、患者さんたちはあまり知らないことが多いです。上白糖を大量摂取すると痛みが増しますので注意が必要です。3月4月は送別・歓迎の時期なのでお菓子をもらうことも多く食べる機会も増えますので、今日は上白糖の取りすぎについてご紹介します。

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炎症の悪化

 上白糖は高GI(グリセミックインデックス)食品であり、血糖値を急激に上昇させます。血糖値が急上昇すると炎症反応が増すので、関節リウマチの症状が悪化する可能性があります。ですから高GI食品をできるだけ避けるのは賢明ですし、緩やかに血糖値が上昇するような食事方法を選択するのは関節痛予防にもなりますね。
 また高血糖が持続すると細胞が傷ついて炎症が起きることもわかっています。関節リウマチは関節のみならず全身に炎症が起きやすい病気ですから、空腹時間を作らず一日中高血糖状態でいることは好ましくありません。(関節リウマチだけでなく、血管の病気にもなります)

免疫系への影響

 上白糖の摂取が増えると、免疫系のバランスが崩れる可能性があります。上白糖が生成する糖化終末産物(AGEs)は免疫細胞の活性化や炎症反応の誘発に一役かって免疫応答を増強することが知られています。私たち自己免疫性疾患の患者は免疫の応答反応が正常ではない部分があり、自分を攻撃することで症状がでていますので、上白糖の取りすぎには注意が必要です。

上白糖を含む代表的な食べ物

 チョコレートやケーキ、アイスクリームなどのスイーツはたいてい上白糖を使用して作られています。またソース、ドレッシング、レトルト食品などの調理済み食品も上白糖が添加されていることが多いです。炭酸飲料やスポーツドリンク、ジュースなども同様です。私の大好きな食べ物は全て砂糖を使っているといっても過言ではありません。

上白糖に代わる甘味料

 急激に血糖値をあげない甘味料としてハチミツ・メープルシロップ・ココナツシュガー・ステビアなどは有名です。私は家庭のお財布とも相談して調理に使う砂糖は体を冷やさないてんさい糖を使用していますが(過去記事は下を参照)、てんさい糖は比較的GI値の高い砂糖に分類されます。全てのものを取り除くのは不可能ですから、できることから始めてみましょう。
 ケーキを食べる回数を減らす、紅茶やコーヒーに入れる砂糖をハチミツにする、果汁100%以外のジュースは飲まない、料理に使う砂糖は上白糖ではなくてんさい糖にする、おやつを果物におきかえる、これらは私が砂糖を減らすためにやってきたことです。他にもありますが、「減らす」「置き換える」「やめる」の順番が楽に継続するコツです。

 関節リウマチの友人は、いつもこの季節になると「お菓子を食べすぎて関節が痛い」と言っています。やはり友人にとっては砂糖による体の炎症反応は大きいのでしょう。お盆・お正月など会社の人が帰省してお土産を買ってくるときは注意しているようです。

 皆さんも上白糖の取りすぎにちょっと注目して関節痛の管理をしていただければと思います。

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