関節リウマチと中医学の鍼灸治療①

 関節リウマチの主要症状に関節痛があります。鎮痛剤である程度緩和されていても慢性的に痛みがある場合は、痛みによって体が疲れ切っていたり、倦怠感が強くなることがあります。そのため鍼灸院に行く人もいると思います。私は幼いころからホームドクターが中医(中医学の医師)だったため、漢方薬や鍼灸を健康維持に取り入れることに抵抗がありません。今日は長年鍼灸治療を受けてきた患者として経験を紹介します。

針を刺すと痛いのか

 鍼灸の針はツボにさすので採血のときのような痛みはありません。今まで鍼灸の針を刺して激痛だったことは一度もありません。イメージとしては、シャーペンの芯を自分の腕に痛くない程度に押し当てて刺さってくる感覚に似ています。実際は刺されていることを感じない人も沢山います。しかしマニアックな意見ではありますが、体調によってツボが痛い時があります。例えば心臓が弱っているときに背中にある心兪のツボに針を刺すと、「効く~!」という痛みのような衝撃のような感覚が走ります。すぐにおさまりますが、おさまらない時はそのツボの針を抜いて違うツボに変更する時もあります。弱っているところのツボには刺激が強すぎるのでしょうね。関節リウマチを発症して1年くらいは全身のツボが敏感になっていたのか?鍼灸が苦痛だった時がありました。激痛ではないですが、緊張している体に針を刺されるのを待ち構えているような初めての感覚でしたが、治療を進めて体調が改善してくるにつれて不快な感覚はなくなりました。体調によって針を打たれる感覚は違いますし、施術する人のやり方によっても多少針を打たれる感覚は違います。

針をさすと疲れるか

 人生で初めて鍼灸をしたときは疲れました。私は年単位で鍼灸をしていないと再開した時も初回は疲れます。ただ中医がいうには、患者の体調を脈診・舌診・視診・聴診・問診などの診察で正しく見極めていれば「疲れない針のうちかた」ができるそうです。だから退院後の衰弱がひどかったとき中医に鍼灸をしてもらったら4回くらいで体力回復しました。そのときは鍼灸の帰りも疲れは出なかったです。

針の打ち方

 針の打ち方もそれぞれの先生によって違いました。印象的だったのは、中医の鍼灸は全身治療なので、ツボによって針の長さを変えたり、針を打つ角度や深さが細かく違います。ただ針をうつだけではなく、どこをどのくらいの力で治療するのかが決まっているそうです。ねじりながら打つ時や鍼に電流を流すときもあったけど、そのときの診断によってこれらの針治療の方法は全く違いました。もはや神業だけど、「針を打てたら自分自身を毎日治療できるからいいよ」と言っておられて、すごくうらやましかったです。自分の家の猫にも針をうって病気をなおしているそうです。膠原病患者さんの中には皮膚の症状がある人も多いですが、皮膚の弱さや病変があっても鍼灸はできるので相談してくださいね。

 このような感じで、鍼灸は痛くて怖いというものではありませんが、もともと「針」が怖い方もおられますので、我慢してまで治療を受ける必要はないと思います。でも一度体験して恐怖心がなくなるのであれば、副作用もなく優しい治療だと思うので選択肢の一つに入れるのもいいかもしれません。次は日本の鍼灸と中医学の鍼灸の違いについて書きたいと思います。

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