膠原病と心のストレスコントロール

 膠原病といわれる様々な病気は、「自己免疫疾患」として知られています。敵から自分を守る免疫システムに異常が生じて、なぜか自分を攻撃しているのです。最近では、肉体的ストレス(不眠・過労・けがや病気など)や精神的ストレスも免疫力を低下させることが徐々に解明されてきました。ですからもともと自己免疫システムが正常に働きにくい膠原病の患者さんは、心身ともにストレスを避けることが重要です。

目次

情動はコントロールできる

情動と脳のしくみ

 最近の研究で、人間は自分の情動をうまくコントロールできることがわかってきました。脳のなかに偏桃体という場所があります。偏桃体は命を守るために不安や恐怖などを敏感に察知して警告する強者で、いわば「攻撃は最大の防御なり派」です。ストレスがかかると偏桃体は「命が危険だ!」と警告を出し、脳から指令を受けて体は命を守ります。慢性的にストレスがかかると偏桃体は警告音を大音量で出し続け、繰り返し命を守るように命令された体にはストレス反応がでるようになります(偏桃体ハイジャック)。そうならないように、脳の中にある海馬という場所が理性的に判断できるようにSTOPをかけてくれています。

瞑想が情動をコントロールする科学的根拠

 瞑想修行を終了した人々に叫び声などの不愉快な音を聞かせる研究では、達人ほど偏桃体の反応が鈍かったそうです。どうやら瞑想などのトレーニングで、私たちは偏桃体の活性化をコントロールできるようです。ダライ・ラマは瞑想の科学的根拠に関心を示してチベットの僧侶たちに研究に参加してくれるように呼び掛けたそうですね。このような瞑想を企業全体に取り入れて業績を伸ばしたのがGoogleです。そして今やマインドフルネスは自分の情動をコントロールする科学的根拠のある方法であることが周知されるようになりました。

今すぐできる情動のコントロール

 瞑想の達人になるのは難しそうですが、今からでもすぐできることがあります。物の考え方・捉え方をコントロールすることです。簡単にとりかかれそうなのは自分の幸せの基準をアップデートすることです。今日がおわるころ「今日は何もいいことが起きなかったな」と思うか、「今日は何もおきなくて無事だったな」と思うかで、同じ一日でも幸せ度が違います。幸せの基準は自分の中にあるので、実は自分の中でリセットしたりアップデートすることが可能です。冬の寒い季節で関節が痛い日が続いているかもしれません。私も肩が痛いので痛みレベルは2/10です。「今日もいつもどおり関節が痛かったな」と思うか、「今日は寒かったのに肩が激痛にならなかったな」と思うかで、心の痛みレベルは大きく左右されますし、幸せ度も変わります。

 意識していなかったけれど、日々目にするものや自分の感じ方の癖が、私の偏桃体を刺激しているのかもしれませんね。私は偏桃体を自由奔放に育てているので、まだまだ練習が必要です。ちょっとずつ意識して、ストレスコントロールできたらいいなと思います。

みなさんも時々、自分の幸せ基準をアップデートしてみませんか?

心地よいペースで暮らしていけるかもしれません。

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