睡眠リズムが崩れて不眠に悩む人は非常に多いです。今日は睡眠リズムが崩れている時の過ごし方について紹介します。
睡眠リズムが狂う理由
睡眠リズムが狂う理由はたくさんありますが、このブログは膠原病患者さん向けなので、病気に焦点を当てた原因をいくつか挙げます。
- 基本的な生活リズムが崩れている(朝起きる、夜寝る)
- いつもより仕事や遊びが立て込んで疲れすぎ、翌日1日中寝ていたので夜寝られなくなった
- 前日の晩に睡眠薬を飲んだら効きすぎて翌日1日中寝ていたので昼夜逆転してしまった
- 疲労・倦怠感が強く日中寝転んですごすことが多い
- 疲労・倦怠感が強く寝付けないし熟睡できない
まず原因を改善できるなら次から同じ理由で不眠にならないようにしましょう。生活リズムを整える、予定を入れすぎない、睡眠薬の使い方を工夫する(医師に相談する)、病状が進行していないかチェックです。
でも、なにはともあれ不眠になってしまったので夜寝れるように立て直したいですよね。では方法をいくつか提案していきます。
朝起きれない日の過ごし方
基本的な生活リズムが崩れた場合
膠原病の症状が強いわけではなく単純に昼夜逆転などで生活リズムが崩れて寝れない場合は、朝起きることから始めてください。眠くても朝起きて日光を浴びることで体のリズムはリセットされます。自分でリセットボタンを押すと思って、眠くても朝は強制的に起きます。私も連休などで夜更かし遅起きしているとリズムが狂います。そんなときは、一度強制的に朝起きるために用事を入れます。できれば人に迷惑をかけないように家族との散歩やモーニングを食べに行く用事、買い物の約束や、ちょっと遠出して美味しいランチを食べに行くとか…。もう桜は終わりましたが朝の新緑風景を見に行くのも素敵です。寝不足で運動はできないので、何か強制的に朝起きる軽めの理由をつけて体内時計を整えましょう。早寝より朝起きで調整を図る理由は、前回記事を参照してください。

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膠原病の症状が強い場合
膠原病の患者さんは日ごろから倦怠感や疲労感で寝付けないこともあるでしょう。また調子の悪い日は朝起きれないことも多々あります。関節リウマチで朝のこわばりがある方はなおのこと時間通りにいかないことでしょう。そんなときは「無理は禁物」です。でも夜の睡眠をとるために知っていてほしいことがいくつかあります。
個人的には、膠原病の不調時の「寝る」と、人間の生命維持のための「寝る」は違うと思います。病気で不調な時の「寝る」は休憩・休息・療養・養生といった目的が強く、それに加えて人間の生命維持のための「寝る」である睡眠をとるということです。膠原病患者はこの2種類の「寝る」のバランスを上手にとることが大切です。
養生目的で日中寝ていると睡眠のリズムが狂ってしまい、夜に不眠になるという苦しみがまっています。それを回避するための方法をいくつか紹介します。
しんどくても朝は一旦起きて日光を浴びる
日光をあびてメラトニンの分泌を止め、朝の生体リズムのスイッチを入れてください。そのあと日中も横になりながら養生して過ごすのも一つの方法です。私は何年も熟睡できない日が続いていますから、膠原病の症状が強くて朝起きれずに睡眠リズムが大きく狂いだしたら、何時でもいいから午前中には起きる、起きたら必ずベランダに出て座って日光をあびています。起きる時間に固執せず、起きたらまず日光を浴びる。午後からでも良いのでホルモンや体内時計をリセットする機会をもちましょう。
日中は寝室以外の場所で寝転ぶ
本当に睡眠をとるときは寝室がお勧めですが、脳に「寝室は夜寝るところ」と思いこませるのは、夜寝るためのコツです。夜寝る前に歯磨きやパジャマに着替えるなどの寝る前の儀式をすることが入眠に役立つことが知られていますので、日中は寝室以外で寝転がるのも一案です。
日中は日光を感じられる場所で過ごす
日光過敏症の方は例外ですが、直接日光を浴びれなくても明るさを感じられるところで過ごすのは体内時計を整えるのに得策です。体に「私は今日しんどいから寝転んでいるけれど今は日中だよ~」と理解させてください。
朝起きるための強制的な環境設定をする
体調が悪いと朝起きたくない・起きられないのはあたりまえです。悪い事でも怠けていることでもありません。しかし流れに身をまかせて寝室から出れなくなると夜の不眠が待っていますから、朝寝室から「一旦」出るために私は環境の力を借りています。体内時計を季節ごとに調整しやすくするために寝室はあえて東か南の窓から朝陽が入る部屋にしています。そうすることで30代後半くらいから朝日の直前くらいに自然に目が覚めるようになりました。不思議なことに、体調がすごく悪い日は寝覚めないですが、そうでなければ一旦目が覚めます。朝陽を浴びたあとの体調でだいたい自分の体調のレベルが判断でき、その日にどのくらいの速さで仕事をするのか、遊びに行く体力があるのかなどを調整できるようになりました。

不眠が続くときの夜の過ごし方
睡眠リズムを修正するためには時間がかかります。夜寝れないことを考えすぎるともっと寝れなくなるので、不眠としばらく付き合うつもりでいることもコツです。
不眠とつきあう気分でいる
いつか寝れます、でも今日は何を考えてもどうせ寝れません。眠れない!と思って心を追い詰めるのをやめてみましょう。海外旅行の時差ボケとしばらく付き合う気分でいかがでしょうか。
- 今日は眠れなさそうだ、明日の朝またリセットして明日の夜から寝よう
- しんどくてもまず一旦朝起きて日光をあびよう、そして眠かったらまた寝よう
- 今日は寝れなさそうだな~(と覚悟して、気が晴れることを考える:私は次行く美味しい店を考える)
不眠でも夜間は体を倒して横になる
寝れなくてもいいです、いつか寝れます。しかし寝れなくても夜間起きないで、体を横にしてゴロゴロしていましょう。体を横にすることは非常に大切です。
私たちの身体は夜間休んでいません、働いています。臓器が働くためには血液と酸素が必要で、ホルモン生成したり自律神経を整えたり、体力を回復し傷んだ場所を修復したり、精巧な仕事をしています。体を横にすることで心臓は一生懸命ポンプしなくても全身に血液を送ることができ、夜間に活発に働く臓器は血液を沢山受け取ることができます。ですから夜間不眠でも体を起こさず、目を閉じて、ゴロゴロしていてください。
新人ナースの時、夜勤が始まった時に夜中の休憩中に眠れなくて困りましたが、師長さんから「眠れなくても目を閉じて体を横にしていなさい」と言われました。それから夜勤では休憩中ずっと続けています。理由があったのですね。少しづつの繰り返して段々リズムが整ってきます。
不眠は病気のサインかもしれない
不眠には様々な原因があります。朝起きだけで修正できないときは必ず病院を受診して治療を受けましょう。眠れない原因が単なる睡眠リズムの狂いではない場合は、早く悪いところを治療しないといけません。
疲れをためないために、体が本来持っている機能をフル活用してみてね!