外来の主治医を変更したいとき

 膠原病の患者にとって外来主治医との関係はとても大切です。慢性病は長い付き合いになりますし、膠原病患者は症状の個人差が大きいため、自分の病状経過をよく知る医師に治療してもらえると安心ですよね。逆に、主治医との関係がうまくいかない時は悩み倍増で、主治医を変えたいと思うのも無理ありません。町のクリニックであれば、ある程度自分で探して病院や医師を変えることができるでしょう。それは比較的病状が軽く、クリニックで対応できる状態だからです。でも大学病院など高度専門治療を必要とする病院を受診している場合、あなたの病状は軽くないし治療も簡単ではないはずです。と、いうことは、クリニックの時のように自分の判断で受診曜日を変えたり主治医を変えることは得策ではありません。突撃訪問して受診した新しい先生が、あなたの病状や治療を専門的に診れる人かわからないからです。

 それでも主治医を変更したいときはどうするか。まず、その理由を主治医に言って相談してください。考えられる理由ごとにちょっと対策を考えてみましょう。

主治医の説明がわかりにくい

主治医にわからないことを伝える
 「説明が難しくてわからなかったので、もう一回聞いていいですか」
 「説明が速くてついていけなかったんですけど…」
 「**ってどういうことですか?」
外来の看護師に、主治医の説明がわかりにくことを伝える
 看護師からかみくだいて再説明したり、次から同じことが起きないように調整してくれます

もっと偉い先生に診てほしい

ダメもとで「**先生にみてもらいたい」と伝える(私はこれ以外思いつきません。)

患者さんに知っておいてほしいのは…
大きい病院で外来診察をしている医師は、たいてい中堅以上の経験豊富な医師です
医師によって専門分野が違うので、「偉い先生」はあなたの病気の専門ではないかもしれない
「偉い先生」は偉すぎて外来診察は担当していないかもしれない
医師の職位(外科部長とか教授とか医局長とか?)が知りたいときは大抵ホームページにのっている

「偉い」の基準は人それぞれですが、患者さんがよく言われるのはこのへんでしょうか。

主治医とうまが合わない

 これが一番、言い出しにくくて困るパターンですよね。お互い人間だからそんなときもあります。でも治療のためにはきちんと次の先生に引き継いでもらうのが得策です。ですから「やむを得ず主治医を変更したい状況」であることを伝えてください。うまが合わないのは、やむを得ない状況なんです。


 外来担当表をみれば、どの曜日に誰が診察しているかわかります。例えば私は膠原病内科にかかっていて関節リウマチなので、ピンクの枠の先生にしかかかれません。今森先生だから、もし変更するなら森先生は月曜日と金曜日に診察しているので、それ以外の曜日に変更してもらう。「先生、来月から月曜日と金曜日は来れないのですが」「都合が悪くて水曜日しか来れないんですど」となりますね。

違う病院に紹介状を書いてもらい、病院ごと変更する
 必ず紹介状を書いてもらって治療が引き継がれるようにしてください。紹介状はお金がかかるけど、紹介状なしで大きな病院に突撃訪問してもお金はかかるし、何も情報がないので一から検査のやり直しになり、莫大な検査費用がかかります。

 治療を継続するために、主治医との関係は大切なので、「違う先生に診てほしい、でも今の先生に失礼な言い方もできないし」と悩むのは自然なことです。患者は病院や主治医を選ぶことができますので、悩みすぎずに誰かに相談しましょう。その時に「治療を継続する」ことを忘れないでください。頻回に病院や医師を変更するとあなたの治療は継続されません

 時々思うのですが…、患者は主治医を選べるけど、主治医は患者を選べないからね。看護師はさらに患者を選べないからね。百貨店や飲食店などサービス業ではみんなそうだよね。そう思うと、自分の健康に関連するすごい特権ですね。

 素敵な主治医と出会えますように。

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