内服間違いが起きやすい時

 たくさんの薬を飲んでいる患者さんたちは、内服忘れもおきますが、内服間違いも起きやすいです。特に膠原病は全身に症状が出るため複数の診療科で薬が出ていることがあり、薬が多いので注意が必要ですね。

 内服間違いが起こる原因は様々なのですが、一般的な原因でみんなが注意できることを考えてみましょう。

目次

内服薬が大量に残っている

 理由あって内服薬が沢山残っていると飲み間違いが起こりやすいです。今飲んでいる薬と、中止している薬は違う場所に保管して下さい。私は「中止薬」「屯用薬」「今飲んでいる薬」はそれぞれ違う場所に保管しています。中止薬は引き出しに、屯用薬は棚に立ててすぐとれるように、今飲んでいる薬は籠に入れて管理しています。あまりに中止薬が多い時は薬局に相談して下さいね。薬にも有効期限があります。

内服薬が変更になるとき

飲む量の変更

 同じ名前でも飲む量が変更されると、慣れるまで内服間違いがおきやすいです。以前飲んでいた薬の数を増やすことになったとき、「今家に薬あまってますか?じゃあそれから飲みましょう」と言われることがあります。本当は1回2錠飲まないといけないのに、薬袋は昔のままなので「1回1錠」と表記されていると間違いやすいです。薬局で新しく薬を出してくれる時は表記も変更されているのですが、手元にある薬を使って飲むときは自分で書き換えた方がいいかもしれません。

違う量の薬を複数組み合わせるとき

 同じ名前だけれど薬の用量(mg)が違うためシートの色は違う薬もあります。例えば写真はオルミエントですが、青は2mg、オレンジは4mgです。昨日までは1回2mgだったけれど、1回4mgに変更になりました。高価な薬なので2mgを捨てるのはもったいないです。だからまずは2mgを2錠ずつで合計4mgにして飲みますが、なくなれば4mgを1錠飲みます。よく見ると2mgはあと5錠残っているので、1錠余る計算になります。

 こういう時に飲み間違いが起きやすいです。
 まず1錠余ったときに「あれ?私飲み間違えたかな?」と思いがち。

 そして今までは青1錠2mgだけ飲んでいたけれど増量になったので…

 青1錠2mg+青1錠2mg=合計2錠4mgが正解です。

 でも今まで2錠飲んできたから、色を気にせず2錠とって飲む危険があります。するとどうでしょうか。
 青1錠2mg+オレンジ1錠4mg=合計2錠6mg→本当は4mg飲むはずなので多すぎる!

 青のシートを使い切ってオレンジのシートだけになるときも危険です。
 オレンジは1錠4mgなので1錠だけでいいのに、今までの癖で2錠飲んでしまう危険がある。
 オレンジ1錠4mg+オレンジ1錠4mg=合計2錠8mg→本当は4mg飲むはずなので多すぎます!

 このように変更があって今までの薬を使いながら移行していく時期はちょっと複雑になるため飲み間違いが起きやすいのです。だから絶対に、同じ名前の薬であっても用量(mg)の違う薬は同じ薬袋に入れて合体させてはいけません。

内服薬のパッケージが似ている

 わたしたち人間は内服薬のシートの色や柄でなんとなく薬を見分けています。ですから似ている薬が増えると、頭が錯覚を起こして飲み間違いをします。写真では左2つと右端はシートの色が違いますので間違いません。でも左2つは袋に戻すときによく間違えます。薬袋に戻すのを間違えると、取り出したときにわざわざ薬名をみない私には致命的です。

 でもこれらの薬を全てプチプチと1錠ずつ外に出してしまったら、全部が白で大きさも似ているので見分けがつかなくなります。もしそうなった場合は、薬に刻まれている数字やアルファベットで見分けるのが基本です。似ている形や色でも、刻まれているアルファベットと数字は違います。虫メガネか写真の拡大が必要ですが…。

 今日は3つだけお話ししました。薬が追加されたとき・変更されたときなど、何か変化があったときはいつもより注意して内服管理してみてくださいね。

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