内服を忘れたとき

 たくさんの薬を飲んでいる患者さんは、誰しも「内服忘れ」の経験があるのではないでしょうか。私は患者さんに内服を忘れないように生活指導する看護師なのに、最近内服忘れがひどいです。もし内服忘れに気づいたらどうしたらよいか知っていますか?今日は内服忘れたときの対処方法を検討しましょう。

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自分の内服の特徴を知っておく

 同じ病気でも患者さんによって飲んでいる薬は違いますし、薬によって対応が違いますので、薬局でわからないことに気づいたら「飲み忘れたらどうしたらいいですか?」と薬剤師に聞いて確認しておきましょう。特に膠原病の中心的な治療薬については内服忘れのときの対応を主治医に必ず確認しておいてください。 こればかりは治療の肝になることなので薬局の薬剤師でも安易にお返事できないことがあります。

私が主治医から言われているのはこんな感じです。

  • 気づいた時点ですぐ飲む。そして次の内服時間もずらして飲む。肝臓の薬は最低4時間あける。
  • 朝の内服忘れに夜気づいたら、朝の分はあきらめて夜の薬だけ飲む。
  • 膠原病の治療薬は朝飲み忘れたら夜に飲む。そして翌日の朝の内服時間をずらす。

かなり具体的な情報ですよね。自分の内服の特徴をよく理解しておきましょう。

「内服したかどうか」を忘れたときの対処方法

 重症なのは、内服をしたかどうか忘れたときです。飲んだ気もするし、飲んでない気もする…。そんな時はどうするか。いくつかの方法が考えられます。

一般的な確認方法

  • ゴミ箱の中をみて、薬の殻があったら飲んだ証拠。(ごみ箱に何日もゴミがたまっていて、昨日の薬の殻も入っていると、この方法は使えない)
  • 薬の残数を数える。2/1から1日1回14日分処方されていたら、2/10時点で4つ残っているのが正解。(薬の種類も数も多いと、この方法は時間がかかりすぎて非現実的。)
  • もう、飲まない。飲まないより、重複して飲むことのほうが怖い。

人によって対処方法が異なる

 私の場合、写真のように複数の病院から薬をもらうので、35日分もあれば、14日分や6日分もあります。こうなると、残薬数を数えるというのは非現実的です。もしかしたら、他にも飲み忘れているときがあるかもしれないし、残薬数をみて判断するのは危険なのです。スプレーなんて、残り数えられないしね。

重複して飲むと危険な薬を知っておく

 実はこの「飲んだか、飲んでないか、わからない」が一番困ります。でも免疫抑制剤は特に重複してのむと免疫が下がりすぎるので、飲み忘れより重複内服のほうが怖いです。不整脈や血圧の薬も重複して飲めば、逆に不整脈がたくさん出たり、血圧が下がりすぎて意識もうろうとなりかねません。ですから、重複して飲むと危険な薬は特に把握しておくべきです。内服飲んだかどうか忘れるときが多くなったら、主治医や看護師に必ず相談してください。日常生活の中で、忘れる原因が何かあるはずです。私は仕事をしているので朝昼晩の3回内服は可能な限り避けてもらっています。昼に忙しくてご飯が食べれなかったり、内服の記憶があいまいになりやすいからです。

 なにはともあれ、飲んだかどうかだけは忘れない工夫が大事なんですよね。

 私最近、飲んだかどうか忘れるので、次回は試行錯誤の現状をお伝えします。

 みなさんは内服忘れ、何が原因で起きていますか?考えてみてくださいね。

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