時々しか入院しないと入院生活のコツ、忘れますよね。特に膠原病患者さんの場合は、呼吸状態が悪くて入院する方も多いので今日はSPO2モニター(パルスオキシメーター)についてお話します。
パルスオキシメーターとは
「酸素を測っています」と言われて指の先に小さな機械をはさんだことはありますか?あれはパルスオキシメーターとかサーチレーションモニターといわれる医療機器で、指先にはさんで酸素飽和度(動脈の中にどのくらい酸素が溶け込んでいるのか)と心拍数を測定しています。酸素飽和度の正常値は95%以上なので100%なくても心配不要です。いつも98%でも早歩きして息が乱れたりすると、体は酸素を使ったのでモニターの数値も一時的に95%前後に下がります。この数値はその人の呼吸機能によって違います。
看護師が観察していること
看護師は「どんな時にどれくらい低くなるのか」をモニタリングして異常がないか判断しています。特に呼吸に負担がかかりやすい、歩行やトイレ、お風呂の前後などは気を付けてみています。「この日常生活でそのくらいの数値だとまだ肺に負荷がかかっているな~」とか考えながら医師に相談して今後の治療や日常生活行動の負荷具合(入浴・外出・運動など)を決定しています。また、患者さん自身が測定できるときは自己測定してもらって、自分の健康管理をどこまでできるのかも観察しています。
患者ができること
もし看護師がそのモニターを触っていいですよと言ってくれたら使い方を教えてもらって、自分でもモニタリングするといいですね。「お風呂入る前は●%で、入った後部屋に戻ってきたときは●%だった」など詳しくモニタリングすることで、自分でも「どんな時にどれくらい低くなるのか(ならないのか)」がわかるようになります。また、その状況をぜひ看護師にも教えてください。看護師は患者さんの話を聞きながら「患者さんは自分の病気に関心をもって、ちゃんと観察できるな~、家でも自己管理できそうだな~」とか、「今の状況だと自宅に帰ってから支援が必要かもしれないから調整しようかな」など退院後の生活を予測しています。私は患者さんもこの治療方針の決定に参加したらいいと思っているので、ちゃんと機械を使ってモニタリングできると判断したら、患者さんに測定してもらい自分の状況について考えてもらっています。膠原病は慢性病なので長いおつきあいです。自己管理できる方法を知っていれば病状管理に役立ちますので、是非SPO2モニタリングが必要なかたは、「それ、私も自分でやってみていい?」って聞いてみてくださいね。
煩わしい機械を早めにとるために
入院中に24時間モニターをつけているときは、写真の指先モニターが携帯電話くらいの大きさの機械に線でつながれていて、機械を首からかけたりポケットに入れていると思います。指に重たい機械がつながっていると熟睡できないし、外れたら看護師がかけつけてくるし、快適ではないですよね。ですから正常値が続いていたら患者さんからも、「もうこれとっていいかな?」と聞いてください。医師に直接話しても大丈夫です。看護師はモニター測定をしていますが、1人で6~7人の患者さんを受け持ちしているとモニターの数値をいつもじっとみていることはできません。その点、患者さんは自分の体のことなので優秀な測定者です。と、私は思っています(笑)私は入院したら暇だからいつもモニタリングして細かく看護師に話して、早く機械を外せるように頑張っています。重症なときは頑張っても無理だけどね。