膠原病でなくても時々しか入院しない人は、入院生活のコツ忘れますよね。ずっと点滴が入っているととても煩わしいです。点滴が抜ける基準は大きく2つで、①口から栄養を取れる、②内服薬だけで治療ができるです。患者にはどうしようもないと思いがちですが、私は自分が入院した時、口から飲む・食べるを意識的におこなってできるだけ点滴が早くとれるようにしています。
口から栄養を取る
嚥下に問題がない
嚥下つまり飲み込む力に問題があると、水や固形物を飲み込むときにむせます。そして間違って肺に水分や食べ物が入り込むと肺炎になりますので、絶食から食事開始になったときに嚥下に問題ないかどうかは命に関わる重要ポイントです。高齢者は特に加齢による嚥下機能低下があるため注意しますが、若い人でも衰弱して絶食期間が長いと注意が必要です。私たち患者も、食事を開始するときは焦らず、よく噛んで細かくドロドロにして、ゆっくり飲み込むようにしたほうがいいですね。入院中にトロミのついたご飯や、柔らかく炊いたメニューから始めるのは、この嚥下力とお腹の消化機能に配慮したものなので、だんだん食上げしてください。
必要なエネルギーを口からとる工夫
入院中に絶食になったり食事量が減った人は点滴をしているのでお腹もすかないし喉も渇かないことがあります。でも、点滴を卒業するためには口から食べれるようになるのが先なのです!これが患者にとって辛いところ。食べたくないのに食べろなんてね。生きるために最低限必要なエネルギーを口から食べることができないと、いつまでたっても点滴で栄養をとることになります。腸は免疫をつかさどっているので、いつまでも腸に食物が入っていかないと免疫力も低下します。ですから少しずつでいいので頑張って食べましょう。私は食べれない時は、「食欲はあるけどお腹がいっぱいで食べれない」とか「コンビニの小さいチキンナゲットだったら食べれそう」とか細かく栄養士さんにリクエストします。食欲あるなら点滴の量を減らして、飲む・食べる量が増えるか試してみようか!となるときもありますし、食欲が出るように好きな食べ物をコンビニで買って食べることが許可されるときもあります。先日は咳で喉が痛かったので「おかずの大きさは大丈夫だけど、米飯は喉が痛い。でもおかゆだと夜中にお腹すく。」と言ったら、おかゆと米飯の中間に変更してくれて、朝のパンも違うものに工夫してくれました。点滴を早く卒業するために、口から食べる工夫を自分でも考えてみてください。医療者を巻き込んで”口から食べよう!”
内服薬だけで治療ができる
病状が落ち着かない時は点滴で血管内に直接薬を入れて全身に届けるほうが確実なので、点滴治療は続きます。しかし病状が安定してくると、抗生剤の点滴が内服に変わったり、ステロイドが内服に切り替わったりします。そうして自宅で内服治療できるように移行していくのです。ですから、口から内服薬が飲めることは重要です。もしその薬が苦くて飲みにくいとか、大きすぎて飲みにくいなど、不都合なことがあれば看護師や薬剤師にすぐ相談しましょう。
私は抗生剤の点滴を1日2回していたため、注射の針を腕につけたまま過ごしていました(留置針といいます)。留置針が手首だったので手がとても動かしにくかったし、手首は無意識によく動くので留置針が折れて痛かったし点滴がよく止まっていました。
あと何日点滴するか聞いたら2日だというので、思い切って針は抜いてもらって、1日2回、採血と同じように針を刺して点滴してもらうことにしました。私は点滴するための血管がとりにくく、失敗されたり漏れることを思うと、残り4回は確実に肘の内側の大きな血管に針をさして点滴中じーっとしているほうが、はるかに楽だったのです。
こんなふうに点滴を卒業するまでには、いろいろな頑張りと工夫がいります。でも患者さんが選択肢を知らないので、快適な入院生活ができないこともあるだろうな~と時々思っています。疑問に思うことはなんでも看護師に聞いて、できるだけストレスの少ない入院生活を送っていただけたらと思います。