入院生活のコツ、尿管を早く取ろう!

 入院すると尿道に管を入れることがあります。医療者はよくバルーン(バルーンカテーテル)と呼びますが、患者さんが尿管と呼ぶものと同じです。

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バルーンカテーテルを挿入する理由

 バルーンカテーテルは、手術中に尿が漏れっぱなしにならないように挿入したり、何らかの理由で自力で尿を出すことができない、またはベッドから降りてはいけない絶対安静でトイレや室内のポータブルトイレに移動してはいけない、もしくはトイレまで歩けない患者さんなどに挿入されます。腎臓や泌尿器科の患者さんの場合は自宅でも挿入したまま暮らすことがありますが、多くの場合は入院中に抜去して自宅に帰ります。

バルーンカテーテル挿入中の症状

 バルーンカテーテルを挿入中は、なんだかいつもオシッコしたいようなムズムズした感覚になったり、動くとピリピリ痛かったりして不快です。また、挿入期間が長ければ長いほど尿路感染症になるリスクが上がります。ですから患者さんも医療者も早くこのバルーンカテーテルを抜きたいと思っています。

バルーンカテーテルを抜くためにできること

 ではバルーンカテーテルを抜くために患者は何をしたらいいのでしょうか。いろいろあるのですが、今日は簡単に2つだけ紹介します。

しっかり水分をとる

 腎臓がきちんと尿を作り、膀胱が尿を排泄するという仕事をしてくれて、初めてバルーンカテーテルは抜去できます。腎臓も膀胱も仕事しているか確認するには尿量がひとつの目安になります。ですから尿量が適量出ている状態でないとバルーンカテーテルは抜けません。患者は腎臓と膀胱に「いつも通り働いてや~」と言うわけにもいきませんので、できることと言えば、しっかり水分をとることです。尿をつくるための水分が少ないと、そもそも適切な尿量が出てこないからです。そのために私は手術後に許可されたらすぐ水を飲み始めます。点滴しているとあまり喉はかわかないのですが、点滴は日に日に減らされますので、それを見越して水分を飲みます。そして腎臓で濾過して尿になるようにしむけています。

トイレまで歩けるようになる

 トイレまで歩ける=バルーンカテーテルを抜いてもトイレで排泄できる、ということです。トイレまで歩けない状態が続くと、毎回オムツに排泄するか、尿瓶で排泄になります。一時的にそれでもかまいませんが、トイレまで歩けないほどベッドに寝ていてオムツの期間が長くなると、お尻は湿った状態が続き、褥瘡(じょくそう:床ずれ)ができやすくなるのでお勧めできません。歩けなくてもベッドサイドでポータブルトイレに移って排泄するなど、できるだけベッドから離れて暮らせるようになるのがベストです。ですから私はバルーンカテーテルが入っているときから歩く練習をして、トイレまでの距離は歩けるように備えています。

 バルーンカテーテルは治療上必要なときに挿入されているので、抜去を焦る必要はありません。しかし不快度が非常に高いので、早く抜くために自分にできることがあれば頑張れそうですね。

皆さんの嫌~な気持ちがはやく解消されますように。

入院生活のコツ シリーズは過去記事をどうぞ。

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