入院生活のコツ、乾燥対策のバスタオルの干し方

 病室の乾燥に悩む患者さんが多いようですので、バスタオルで加湿する具体的な方法についてご紹介します。

目次

病院に加湿器がない理由

 今は部屋ごとではなく病棟・病院全体で空調を管理している施設が増えたため病室ごとの湿度調整ができずかなり乾燥しています。しかし病院では加湿器を設置しているところが非常に少ないです。加湿器を使用しない理由は、加湿器にたまる水滴で細菌が繁殖し、そこに水を入れて噴霧することで汚染した空気を広げることになりかねないからです。とはいえ加湿器自体を確実に掃除して乾燥させれば良いのですが病室全体を加湿しようと思うとかなり性能の良い大きい加湿器が必要になりますので、構造が複雑で管理に手間がかかりリスクの方が高いと判断されているのでしょう。

病室での加湿方法

吸入する

 呼吸器疾患がある患者さんにとって空気の乾燥は死活問題です。気道に加湿が必要な場合は吸入できますので医師・看護師に声をかけてください。また呼吸器疾患でなくてもシェーグレン症候群など乾燥症状が強く、エアコンの気流や部屋の乾燥で体調が著しく悪化することが分かっている場合は事前に相談して下さい。病棟の入院状況によっては部屋やベッドの位置を考慮できるかもしれません。

保湿マスクを使う

 保湿マスクをして過ごす方もおられます。私は夜寝るときにマスクをつけていると息がしんどいので試したことがありませんが、何もしないよりましかもしれませんね。

コップにお湯を入れて加湿する

 頭元の台にお湯を入れたコップを置いて寝ることができます。個人的にはこの程度の加湿が有効とは思えませんが、その病室の状況や入院する季節によっては、就寝中の頭元の加湿が期待できるかもしれません。コップにフェルトや吸湿性の飾りを入れて加湿する方もおられます。注意点は、コップが倒れても顔にお湯がかからない位置におくこと、コップやフェルトなど加湿に使用したものは翌日必ず洗浄・乾燥させることです。この処理をしなければコップの水を入れ替えても汚染します。個室であれば洗面台にお湯をはるという方法もあるので看護師に可能か聞いてみてください。

バスタオルをかけて加湿する

 バスタオルは洗濯機で脱水しすぎると意味がありません。可能であれば水で濡らしてギリギリ水がしたたらないくらいに絞るのがベストです。水がしたたると床が濡れて滑りますので危険です。フェイスタオルでも構いませんが、冬の乾燥時期にはフェイスタオルはすぐに乾いてしまいます。私はハンガーにタオルをかけて使っています。イメージとしてはこういうことです。

 病室でハンガーをかける場所は、マグネットフックがつくのであれば頭上、またはテレビの台にS字フックをかけてハンガーごとタオルを干します。天井やテレビ台が無理であれば、ベッド柵の頭元や横にそのままタオルをかけます。

 注意点は、照明やコンセントなどタオルが当たって火事になる危険がないか、濡れタオルが顔に落ちてきて窒息しないかです。ハンガーにかけるときは洗濯ばさみがあると良いかもしれません。また写真のようにベッドが壁にぴったりついていると、ハンガーが顔に落ちたときケガするかもしれないので、看護師に相談して少しだけ足元にベッドを移動してもらいましょう。
 また、ベッド柵に濡れタオルをかけるとシーツが濡れる可能性があるので、どうしてもシーツに当たってしまうときは看護師に相談して下さい。もしかしたら病棟に防水シートがあるかもしれません。ベッド柵に「かけもの」をするときに、長さ調節したり落下予防のために洗濯ばさみが活躍しています。

 私の場合、マグネットはDAISOの強力マグネットフックを使用しています。フック自体が180度回転するのでどのような場面でも使えます。例えば、天井からつるすときはこのようにつけます。

 壁につけるときは横向きにピタッとついてくれます。ハンガーも持ち手部分が360度回転だとなおよいです。

 

卓上加湿器を持参する

 私は次入院するときは卓上加湿器を持参しようと思っています。最近は簡単で掃除&乾燥しやすい卓上加湿器が沢山出ているので、関節リウマチでタオルを絞るのが辛い私には卓上加湿器の方がベターだと思いました。ただ加湿器は前述の通り病院では懸念事項があり隣の患者さんにも影響しますので、使用される際は看護師に声をかけてください。

体調が悪くて入院していますので、どうぞ我慢なさらずに看護師に相談して下さいね。

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