新年度が始まり緊張が高ぶる季節となりました。冬から春になり体を動かす頻度も増えて疲れやすい時期ですので、疲れを癒す睡眠時間について紹介します。
関節リウマチ患者に疲労が大敵な理由
関節リウマチのみならず膠原病は自己免疫性疾患であるため、そもそも疲れやすいです。健康な人でも疲れがたまると免疫力がおちて病気にかかりやすいのに、もともと免疫系が弱い私たちは疲れやすく免疫が落ちやすく病気にかかると急激に悪化する危険があります。ですから日々の疲れを睡眠でしっかり回復させましょう。
就寝時間と起床時間
24時にはぐっすり寝ている状態に
私が中医の主治医から言われていたことは「24時の時点でぐっすり寝ている状態にしなさい」です。中医学では体の臓器がそれぞれよく働く時間があると言われています(子午流注)。23時~1時は胆のうが働く時間(子の刻)で消化に関わる胆汁の新陳代謝が活発になり、1時~3時は肝臓が働く時間(丑(うし)の刻)で栄養の貯蓄と解毒をし自律神経を整えます。看護師としてなるほどな~と思ったのは、イライラしたり考え事で気持ちが高ぶって眠れない患者さんには抑肝散という漢方薬が処方されます。肝臓の働きがうまくいかないと自律神経失調が起こって眠れないのですね。私たちは日中にご飯を食べて順次胃から腸へ送り、腸はいらないものは便にして排泄し、必要な栄養は血液にのせて肝臓に送ってくれます。寝ている間に日中おこなった消化吸収を整えて肝臓で血を作り、自律神経を整える。翌日は夜に蓄えておいた血を使って活動する。一般の方向けに簡単に言うとこんな感じでしょうか。中医学と西洋医学では臓器の働きについての考え方が多少異なるのでまとめて説明するのは難しいのですが、要するに翌日のパワーを準備するためにも23時~3時、しっかり寝ておこうというのは、両者納得の考えだと思います。

7時には起きる
起床時間は個人の生活によって違うので絶対とは言えません。でも中医の主治医からは「7時までには起きる、陽を浴びて一回体に起きるスイッチを入れる。スイッチ入れてもしんどかったら横になってまた寝ていい(療養しなさいという意味)。」とよく言われていました。西洋医学的に考えてもこれは理にかなっています。私たち人間は暗くなるとメラトニン(ホルモン)が分泌され眠気が出て睡眠が深くなります。このメラトニンが夜にきちんと分泌してくれれば寝れそうですね。メラトニンの特徴を3つ出して説明します。
体内時計に影響される
メラトニンは体内時計のリズムに合わせて夜に多く分泌され、朝になると分泌量が減ります。ですから夜更かしの連続や日中ずっと寝ているなど体内時計が狂うことをしないほうがいいですね。
光に影響される
メラトニンは光に影響されるので、暗い環境で分泌され光を浴びると分泌が止まります。ですから寝る前に強い光を浴び続けるとうまく分泌してくれませんので、蛍光灯の下で起きている・携帯電話を使うなどは推奨されません。また日中、日光を浴びなければ分泌が止まりませんから、ずっと暗い部屋で寝転がっているのもお勧めできません。メラトニンは光だけではなく体内時計の影響もうけているので、光の状況だけで分泌し続けたりピタッと止まったりするわけではありませんが、体内時計や地球の日夜のサイクルに合わせて生活するのが良いことは明白です。
日中14~16時間かけて作られる
メラトニンは食事から取り入れた栄養で、日中14~16時間かけて作られます。その後日没で暗くなり、体内時計の影響もうけて分泌開始です。24時にぐっすり寝ておきたいなら単純計算で14時間前の9時には起きないといけません。でもメラトニンを作る14~16時間の幅は個人差があるでしょうし、24時にぐっすり寝ている状態にしたかったらノンレム睡眠・レム睡眠のサイクルを考えると23時よりもっと早めに就寝した方がよさそうです。
7時に起きるとどうでしょうか?14時間後は21時、そこから段々眠くなって就寝したら24時前後には寝入れているのではないでしょうか。だから起きる目安は7時までと、私は心がけています。睡眠リズムの狂いを修正するためには、早寝より、「朝起き・日光」です。夜寝るための準備は朝1番に始まるのです。

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睡眠リズムが乱れて不眠になった時の対処方法
膠原病患者は倦怠感や疲労で日中横になることも多いため、睡眠リズムが乱れて不眠になりやすいと思います。不眠を改善するためには今日書いたように、まず早寝より朝起きを推奨します。とはいえ不眠になれば夜寝れない時間をどうやって過ごすのかが悩みです。夜は眠れなくても体を横にして目を閉じて過ごしてください。詳しくは次の記事に書きますが、不眠だからと言って夜間体を起こしていることはよくありません。また早起きだけで睡眠パターンを修正できない場合は、不眠の原因が生活リズムの狂いではなく病気の場合もあります。ですから不眠が続くときは受診することも必要です。病気によっては、不眠の改善策が違うからです。
今日は良く寝て疲労を癒してくださいね。